環境にやさしいポリスチレン
環境にやさしいポリスチレン
プラスチックの原料になる石油も限りある資源だから、大事に使っていかなければいけないよね。
ポリスチレンを使った製品では、少ない材料で製品が作れるように工夫したり、エネルギー消費量を減らす効果がある製品も作られているんだ。
限りある資源を有効に活用するために新たなリサイクル手法の開発なども進められているんだよ。
ポリスチレンってじつはエコ
(1)少ない材料でたくさん作れる!発泡ポリスチレン
お肉やお刺身が入っているやわらかい食品トレーは見たことあるかな。
あれはポリスチレンを空気でふくらませて作った発泡ポリスチレンでできているんだ。
たくさん空気を含んでいるから、軽くて強いうえに少ない材料・エネルギーで作ることができるんだよ。
それに、熱を通しにくくて衝撃も吸収してくれるから、中にある食品を守ってくれるんだ。ポリスチレンは食べ物にとってもエコなんだね。
(2)暑さも寒さもおまかせ!ポリスチレンの断熱材
ふだんは壁や天井のなかや床の下に入っていて見えないけれど、ポリスチレンは断熱材という形でもエコに貢献しているんだよ。
ポリスチレンを発泡させて作った断熱材は、軽くて熱を伝えにくいっていう特長をいかして、いろいろな場所で使われているよ。
暑い日も寒い日も、ポリスチレンの断熱材がガードしてくれるから省エネルギーで効率的に冷暖房が使えるんだ。
(3)薄くて強い!BOPS
スーパーやコンビニで売っているお弁当のフタや、透明なフードパックの多くは、BOPS(二軸延伸ポリスチレン)でできているよ。もってみるとわかるけれど、BOPSはポリスチレンを薄く軽く加工した材料なんだ。透明で中身がきれいに見えるBOPSは、作り方を工夫することで、強くて省資源な製品になっているんだ。
ポリスチレンのリサイクル
ポリスチレンはいろいろなリサイクル方法に適したプラスチックといわれているよ。
スーパーで食品トレーの回収ボックスをみたことがある人も多いと思うけれど、特に発泡ポリスチレンで作られた食品トレーは、他のプラスチックと簡単に識別がつくことから、回収・リサイクルが進んでいるんだ。
近年では、材料に戻して新しいポリスチレンを作り直すことができるケミカルリサイクルの研究が活発化するなど、リサイクルの技術はどんどん進化していっているんだよ。
(1)マテリアルリサイクル
ポリスチレンの、熱をかけて溶かしても性質が変わりにくいという特性を生かしたリサイクル方法だよ。容器包装や家電の部品など多くのプラスチックがこの方法でリサイクルされているよ。スーパーで回収されているトレーもマテリアルリサイクルされているよ。
(2)ケミカルリサイクル
プラスチックのケミカルリサイクル
プラスチックを熱分解すると油やガス、コークスといったものができるんだ。
そこで出来た油やガスは、いろいろな化学製品の原料や燃料として使われたり、コークスは鉄を製造するときに使われたりしているよ。
ポリスチレンのケミカルリサイクル
ポリスチレンの熱分解がしやすいという特性を生かしたリサイクル方法だよ。
熱分解をすることで、スチレンっていうポリスチレンの材料に戻すことができるんだ。
材料から作り直せるから、新品と同じようにいろいろな用途に使えるのが特長で、これからのリサイクル技術としてとても期待されているんだ。
(3)エネルギー回収
ポリスチレンは他のプラスチックと同じように燃焼カロリーがとても高いから、廃棄物と一緒に燃やすことで効率よく燃やすための燃料のように活用することもできるんだ。
ごみを燃やした時に出る熱は、発電に使われたり、温水プールや暖房に利用されたりしているよ
プラスチックのリサイクル
限りある資源を有効に使うため、日本でもプラスチックのリサイクルが行われているよ。
プラスチックリサイクルの方法は、(1)マテリアルリサイクル(2)ケミカルリサイクル(3)エネルギー回収、の大きく3つがあって、それぞれの方法には違った特長があるんだ。
日本では1年間に約900万トンの使用済みプラスチックが発生していて、そのうちの80%以上がこの3つのリサイクル方法によって有効に利用されているんだよ。
出典:(一社)プラスチック循環利用協会
プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理方法の状況2021年版(2022年12月発行)
詳しくはプラスチック循環利用協会Webサイトもご覧ください。
プラスチックを有効活用しよう
ポリスチレンをはじめとするプラスチックを貴重な資源としてリサイクルするためには、しっかりと回収することが大切だよ。
海などの自然環境のなかにプラスチックを流出させないためにも、使った後の取り扱いはとても大切なんだ。
家庭でのプラスチック資源ごみの分別や、スーパーでの食品トレーの回収ボックスを利用することで、誰でもプラスチックリサイクルの発展に協力することができるよ。
一人ひとりの力をみんなで合わせて、資源循環とプラスチックの有効活用を拡大させていこう。